ペナンの取引先との間で、二つのことが同時に起きていました。納入されるはずのものが遅れ、こちらから請求していた分の支払いも止まっている。担当者とは連絡が取れるものの、返答はいつも同じで、期日だけが後ろにずれていく状態です。
先方の説明は「一時的に生産が滞っている」というものでした。工場の設備に不具合が出ている、部材の入りが悪い。理由としては筋が通ります。ただ、それが本当かどうかを日本側から確かめる手段がありません。
ご相談の時点で、支払いが止まってから4か月が経っていました。
01切り分けたかったこと
確かめる点は、はっきりしていました。相手の事業全体が止まっているのか、それとも御社への対応だけが止まっているのか。この二つは、外から見れば区別がつきます。
- 稼働している時間帯が短くなっている
- 人が減っている、区画の一部が使われていない
- 搬出入そのものが少ない
- 設備が動いていない、資材が積み上がったまま
この場合、条件を組み直す余地があります。
- 稼働は通常どおり。人も設備も動いている
- 搬出入が続いており、量も落ちていない
- ほかの相手との取引が通常どおり進んでいるように見える
- 説明されていた設備の不具合が、確認できない
この場合、待っても状況は変わりません。
02見えたもの
工場は動いていました。時間帯を変えて確認しましたが、稼働はほぼ通常どおりで、搬出入も続いています。人が減っている様子もありません。設備が止まっているという説明を裏付けるものは、外からは確認できませんでした。
もっとも、設備の内部を見たわけではありません。特定のラインだけが止まっている可能性は否定できない——この点も、そのまま報告書に書いています。当社が確認したのは、外から見える範囲での稼働です。
あわせて登記も確認しました。役員の変更はなく、住所の移転もありません。事業をたたむ動きは見られませんでした。
報告書に書いたのはここまでです。先方が虚偽の説明をしている、とは書いていません。書けるのは、稼働が通常どおりに見えたこと、説明を裏付けるものが外からは確認できなかったこと。この二つだけです。
03その後
御社はこの報告をもとに、待つのをやめられました。待つ理由がなくなった、という言い方のほうが正確です。事情があって止まっているのなら猶予を出す、そうでなければ別の手を打つ。判断の基準がもともと決まっていたので、材料が揃った時点で動けました。
その後は弁護士に相談され、書面での請求に切り替えられています。当社はその過程には関与していません。相手方への連絡も、交渉も行っていません。
- ご相談の時点で、支払いが止まってから4か月が経っていた
- 確かめたのは「全体が止まっているか/こちらへの対応だけが止まっているか」の1点
- 工場の稼働と搬出入を、時間帯を変えて確認した
- 登記も併せて確認し、移転や役員の変更がないことを見た
- 報告書には、確認できたことと、確認できなかったこと(設備内部)を分けて記載した
確かめる点を1つに絞ったため、現地で動いた日数は多くありません。
04同じ状況にある方へ
この種のご相談で多いのは、半年、一年と待ってからのご連絡です。待っている間に相手の状況は変わりますし、事業をたたむ動きが出ていれば、その時点で追える相手ではなくなります。
確かめること自体は、それほど時間も費用もかかりません。動くかどうかを決める前に、相手がいまどうなっているかだけでも見ておく、という使い方をされる会社が増えています。
いつから何が止まっているか、相手が何と説明しているか。それだけで結構です。何を確かめれば次が決まるかをお答えします。秘密保持契約書と暴力団排除に関する誓約書は当社から提出します。
掲載にあたり、案件が特定されない範囲で内容を調整しています。




