クアンタンの取引先について、代表者がどういう人物なのかを確かめたい、というご相談でした。取引そのものは数年続いていましたが、条件の変更を求められる場面が増え、判断の材料がほしいという段階です。
御社はすでに、ご自身で調べておられました。名刺に書かれた氏名で検索し、同じ名前の人物が関わる会社をいくつか見つけ、そのうちの一社が過去に問題を起こしていた、というところまで把握されていました。その情報をもとに、取引を止めるかどうかを検討されていた状況です。
確認は、その人物が誰なのかを確定させるところから始めました。
01誰を指しているのかを確定させる
手元の資料に出てくる表記を、すべて並べていただきました。名刺、契約書の署名欄、先方から届いたメールの署名、請求書の記載。同じ人物を指しているはずのものが、四通りの書かれ方をしていました。
- 綴りが資料ごとに違う。ローマ字表記の揺れは日常的に起きます
- 途中の語が省略されている書面がある
- 日常的に使っている呼び名と、登記上の氏名が別
- 同じ、あるいはよく似た氏名の人物が複数存在する
これは特別なことではなく、通常の状態です。悪意があって揺れているわけではありません。
登記から確認したところ、クアンタンの取引先の代表者として記載されていた人物は、御社が調べておられた人物とは別人でした。氏名の一部は一致しますが、登記上の記載が異なります。
02確認できたこと
| 御社が調べていた人物 | 実在しますが、クアンタンの取引先とは登記上のつながりがありませんでした。過去の問題として把握されていた件も、この取引先とは関係のないものです。 |
|---|---|
| 実際の代表者 | 登記上、取引先の取締役として記載されている人物です。ほかに関わっている法人は一社あり、いずれも同じ地域で登録されていました。 |
| 現地での様子 | 取引先の拠点に日常的に出入りしていることを確認しました。稼働の状況も、説明されていた規模と大きく食い違うものではありません。 |
| 確認できなかったこと | 条件の変更を求めてきた背景については、外から確認できるものではありませんでした。この点は、そのまま報告書に記載しています。 |
この案件で当社が最初にお伝えしたのは、「調べておられた人物は、この取引先の代表者ではありません」という一点でした。ここが違っていると、その先の確認はすべて無駄になります。
03その後
取引は続いています。止める理由だと思われていたものが、この取引先とは関係のない話だったためです。条件の変更については、事実関係を整理したうえで、通常の商談として進められました。
この案件は、確認しなかった場合に何が起きていたかを考えると分かりやすいと思います。数年続いた取引を、別人の経歴を理由に打ち切っていたことになります。相手からすれば、理由の分からない打ち切りです。
- STEP 1 表記を並べる 手元の資料に出てくる氏名の書かれ方をすべて並べていただきました。四通りありました。
- STEP 2 登記で確定させる 取引先の登記に記載されている代表者を確認。調べておられた人物とは別人でした。
- STEP 3 実際の人物を見る 確定した人物が、拠点に出入りしているか。ほかに関わる法人があるか。現地で確認しました。
- STEP 4 分けて書く 確認できたことと、外からは確認できなかったこと(条件変更の背景)を分けて記載しました。
STEP 2 までは書面の確認だけです。現地に出る前に、方向が違っていることが分かりました。
04ご自身で調べられている場合
いまはご自身で検索して、ある程度のところまで調べられる方が増えています。それ自体は悪いことではありません。ただ、名前が一致しているというだけでは、同一人物とは言えません。マレーシアに限らず、ここで取り違えると結論がまるごと入れ替わります。
お手元で調べた内容がある場合は、それも合わせてお見せください。合っているかどうかを確かめるところからお受けしています。合っていれば、その先の確認に進めます。
お手元の資料に出てくる氏名の綴りが分かるものを、いくつかお見せください。人物の特定にかかる時間が短くなります。秘密保持契約書と暴力団排除に関する誓約書は当社から提出します。
掲載にあたり、案件が特定されない範囲で内容を調整しています。




