支払いが止まっている相手に、支払える力が残っているのか。これから取引を始める相手に、その規模の取引を支えるだけの体力があるのか。どちらも、書面のやり取りだけでは分かりません。
そのうえで、外から確かめられることは少なくありません。事業がまだ動いているか、拠点を持っているか、ほかにどの法人と関わっているか。回収の可否を考えるとき、実際に効いてくるのはこちらの情報です。
- 支払いが滞っており、回収に動くかどうかを決めたい
- 相手が「資金がない」と説明しているが、実際のところが分からない
- 与信の枠を決める前に、相手の体力を把握しておきたい
- 出資や共同事業の話が出ており、相手側の負担能力を確かめたい
- 法的な手続きを検討しているが、費用に見合うかどうかの見当がつかない
すでに相手と連絡が取れなくなっている場合は、所在の確認が先になります。
01見えるもの、見えないもの
この分野は、できることとできないことの差が大きいところです。先に線を引きます。
- 事業が現在も動いているか。稼働の規模と、それが説明されている内容と釣り合っているか
- 使用している拠点。自社の建物か、借りているか、共有の区画か
- 登記から見える法人の関係。同じ代表者がほかにどの会社を持っているか
- 車両や設備など、外から確認できる範囲の使用状況
- 生活の拠点。個人が相手の場合、住んでいる場所とその状況
- 事業を縮小・移転している動きの有無
- 銀行口座の有無、残高、入出金の履歴
- 借入の状況、担保の設定、他社への債務
- 納税額、申告されている売上
- 保有している金融資産や、他人名義になっている資産
- 不動産の所有関係のうち、登記照会を要するもの
右側は、当社に限らず民間の調査で取得できるものではありません。取得できると説明する事業者があれば、その入手経路をお確かめください。当社は、できないことをできないとお伝えしたうえで、左側をどこまで積み上げられるかでお役に立ちます。
個人に関する情報は、マレーシアの個人データ保護法(PDPA)の枠の中で扱います。ただし、一切開かないという意味でもありません。どなたが、何のために必要とされるかによって、道が残っていることがあります。そこはご相談の中でお答えします。
なお、法的な手続きの中で開示を求める道は別にあります。そちらは弁護士の領域ですので、当社からは申し上げません。
02何のために確かめるか
同じ「資産を見たい」でも、目的によって見る場所が変わります。ご相談の段階でここを伺うのは、そのためです。
| 回収を進めるか決める | いま事業が動いているか、拠点を持ち続けているかを見ます。動いている相手であれば話し合いの余地があり、実体が薄れていれば手続きの費用に見合わない、という判断材料になります。 |
|---|---|
| 与信の枠を決める | 説明されている事業規模と、現地で見える稼働が釣り合っているか。取引を始める前、あるいは枠を広げる前の確認としてお受けしています。 |
| 出資や共同事業の前に | 相手が負担すると説明している部分を、実際に負担できる体力があるか。名前だけの法人がいくつも並んでいないか。登記から見える関係も合わせて確認します。 |
| 手続きの前に固める | 弁護士に相談する前後の段階で、相手の現況を書面にしておきたい場合。時間が経つと状況が変わるため、その時点の記録として残しておく意味があります。 |
- 回収できるかどうかの見込み。資産らしきものが確認できても、それが回収に結びつくとは限りません
- 相手方の資産の総額。当社がお伝えできるのは、確認できた範囲の事実だけです
- 差押えや保全の可否。これは弁護士と裁判所の領域です
- 取引を続けるべきか、訴えるべきかの判断
- 成功報酬の形でのお受けはしていません。確認した日数に対して費用が発生します
回収そのものの代行や督促は行っていません。当社がお渡しするのは、動くかどうかを決めるための材料です。報告書は日本での手続きの検討にそのまま使える形で整理しますし、弁護士や法律事務所からのご依頼も受けています。
03進め方と費用
- STEP 1 目的を伺う 回収の判断か、与信か、出資の前かによって見る場所が変わります。契約書、請求書、やり取りの記録があればお見せください。
- STEP 2 登記を取る 法人であればSSMの登録情報から、代表者や役員が関わるほかの法人まで。ここで名前だけの法人が並んでいることが見える場合があります。
- STEP 3 現地で稼働を見る 事業所と生活の拠点。動いているのか、畳みかけているのか。時間帯と曜日を変えて確認します。
- STEP 4 材料として渡す 確認できたこと、できなかったことを分けて記載します。判断は書きません。御社と弁護士が決めるための材料としてお渡しします。
STEP 2 の段階で「これ以上は費用に見合わない」と判断できることもあります。その場合は率直にお伝えします。
費用は確認する日数で決まります。相手が個人か法人か、拠点が特定できているかどうかで日数が変わります。東マレーシア(サバ州・サラワク州)や地方が絡む場合は、移動のぶん長めに見ていただきます。
04よくいただくご質問
口座を調べられる会社があると聞きましたが
当社はお受けしていません。銀行口座の残高や入出金は、制度上ご本人と当局しか持たない情報です。どのような経路で取得しているのかを確かめられることをおすすめします。取得の経緯に問題があれば、その情報を使った御社の側にも影響が及びます。
資産が確認できれば、回収できるのでしょうか
そうとは限りません。事業が動いていること、拠点があることは、支払いの可能性を示す材料ではありますが、回収を保証するものではありません。実際の回収は法的な手続きと相手の対応次第ですので、当社は見込みについては申し上げません。
成功報酬でお願いできますか
お受けしていません。確認した日数に対して費用が発生します。回収額に連動する形にすると、当社が回収そのものに関与しているように見え、実際の業務範囲と合わなくなるためです。
相手が個人の場合でも依頼できますか
お受けできます。個人事業主や、法人の代表者個人が対象になる場合です。ただし業務上の必要と結びつく範囲での確認に限らせていただいており、それ以外の目的でのご依頼はお受けしていません。
取引先の実態確認と、まとめて頼めますか
お受けできます。会社そのものの確認と資産の確認は、現地で回る場所が重なるため、同時に進めたほうが日数も費用も抑えられます。ご相談の際に両方を見たい旨をお伝えください。
相手の社名か氏名と、いくら分の話なのか。それだけで結構です。確かめられる範囲と、そこまでにかかる日数をお答えします。秘密保持契約書と暴力団排除に関する誓約書は当社から提出します。
弁護士や法律事務所からのご依頼も受けています。




