マレーシアの現地法人からのご相談でした。ある社員のシンガポール出張が、他の社員と比べて明らかに多い。行き先も、面談の相手も申請書に書かれており、書式としては何の問題もありません。ただ、成果として社内に戻ってくるものが見えない、という状況です。
ジョホールバルからシンガポールへは、陸路で国境を越えられます。日帰りも一泊も容易で、出張として申請しやすい距離です。それだけに、行ったかどうかを社内で確かめる手段がありません。
ご相談の段階で、社内の申請書と経費の記録は整理されていました。当社が確認したのは、そこに書かれた日程です。
01国境をまたぐ確認
ジョホールバルとシンガポールの間は陸路でつながっており、日によって混み方が大きく変わります。越えるだけで数時間かかる日もあれば、あっさり通る日もあります。この時間の読みにくさが、確認そのものにも影響します。
- 申請された日に、実際にマレーシア側の拠点を出ているか
- 出発の時刻と、戻った時刻
- 申請書に書かれた面談の相手先が、実在する会社か
- その所在地へ立ち寄っている様子があるか
- 宿泊を伴う申請の日に、実際に戻っていないか
シンガポール国内での詳細な行動については、確認の範囲を事前にご相談のうえで決めています。
02見えたもの
複数の日程を確認しました。結果は、日によって分かれています。
| 申請どおりだった日 | 時刻も行き先も、申請書の記載と大きな食い違いはありませんでした。この日については、そのまま「申請どおり」と報告しています。 |
|---|---|
| 戻りが早かった日 | 宿泊を伴う申請でしたが、当日のうちに戻っていることを確認しました。宿泊費が経費として計上されていたかどうかは、御社側で照合していただく部分です。 |
| 確認できなかった日 | 国境の混雑により追跡が続かず、行き先を確認できなかった日があります。この日は「確認できなかった」とだけ記載しました。推測は書いていません。 |
申請書に書かれていた面談の相手先については、実在の会社であることを確認しています。ただし、実際に面談が行われたかどうかまでは分かりません。建物の中で何があったかは、当社が確認できる範囲の外です。
この案件は、確認できた日と、できなかった日が混ざっています。全部が揃った報告書のほうが少ないのが実際のところです。埋められない部分を埋めようとすると、書面全体が信用できないものになります。
03その後
報告書には、確認した日ごとに、確認できたことと、できなかったことを分けて記載しました。宿泊を伴う申請の日に当日中に戻っていた点については、日時をそのまま書いています。それが経費として計上されていたかどうかの照合は、御社の中でしていただく部分です。
その後の社内での扱いについて、当社は関与していません。ご本人への聴取にも同席していません。事実の確認と、その先の対応は別の仕事だと考えているためです。
- 出張の申請書が残っており、日付・行き先・面談相手が書かれていた
- 経費の記録が社内で整理されていた
- 確認する日を、御社側で優先順位をつけて絞っていただいた
- 国境をまたぐ移動であることを前提に、日程を組んだ
申請書が残っていない行動を後から追う場合、あたりを付けるところから始まるため、日数も費用も大きく変わります。
04ジョホールバルとシンガポールの間について
この区間は、確認する側にとっても特殊です。国境の混雑が読めないため、一日の確認が途中で切れることがあります。切れた日は切れたと書きます。つなげて書けば、実際には見ていない時間を見たことにしてしまいます。
シンガポール国内での確認については、事前に範囲をご相談のうえで決めています。二国にまたがるご依頼は、着手前にどこまでを対象とするかをはっきりさせておく必要があります。
申請書と経費の記録がお手元にあれば、確認できる日はすぐに絞れます。何を並べればよいかからお答えします。秘密保持契約書と暴力団排除に関する誓約書は当社から提出します。
掲載にあたり、案件が特定されない範囲で内容を調整しています。




